「子どもに振り回される親でなく、子どもを振り回す親たれ」
ビートたけし「理解ある父親なんてもんになる必要はない」
2012.03.01 07:00
『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子…など、様々なジャンルで活躍する論客が、毎号書き下ろしで時事批評を展開する。現在、本サイトでは2月24日に配信された4号に掲載されている「ビートたけしの今週のオピニオン」を全文公開しているが、今回はその完結編。たけしが考える"夢"とはどんなものなのか。
* * *
よく「一生を懸けられる仕事を探せ」なんていう親や教師がいる。だけど「一生の仕事」なんてそんなに簡単に見つかるワケがないだろ。で、たとえラッキーなことに「一生の仕事」ってものを見つけても、それで食っていけるかは別問題。才能・努力だけじゃなくて「運」って問題が大きいんだからね。
オイラだって、別に最初からお笑い芸人になりたかったワケじゃない。いくつかのタイミングと運が重なって、若い頃の自分じゃ想像できないような大人になっちまった。芸人や映画役者なんて、食えなくて当たり前、コンビニの店員をやりながらでも続けられてれば、運がいいってことなんだよ。
今じゃ世の中豊かになって、たいがいのモノは手に入るようになった。それで、親も子供も世の中も「努力すれば夢は叶う」と勘違いしてしまったのかもしれない。でも本当は「努力すれば叶う夢もごくまれにある」ってことなんだよ。
オイラがガキの頃は、自然とそれが分かるように育てられてきた。ウチの近所じゃ、「学者になりたい」って子供には、「無理だよ、お前バカなんだから」っていっちゃうし、「グローブ買ってくれ」っていえば、「ウチは貧乏だからダメ」で終わり。そういう毎日だから、子供はおのずと自分の「分」をわきまえることを覚えていったんだよな。
そういう意味じゃ、やっぱり子供にとって、親父の存在ってのは大きいと思うね。親父にできるのは、いつか子供が挫折した時に、それでも生きていけるタフな心を育ててやること。小さい頃から負荷をかけてやること。子供の心を傷つけることを恐れちゃダメなんだよ。理解ある父親なんてもんになる必要はない。父親は、子供が出会う人生最初の障害でいいんだ。俺はそんな風に考えてるよ、ジャンジャン!
※上記の記事全文は現在配信中の『メルマガNEWSポストセブン』4号で読めます。
【ひと言】
ビートたけしの持論には、結構賛同していることが多い気がします。(たぶん私と同じように極論的かつ切れの良いコメントで論じられているからでしょうか(笑))
「最後まで理解し続けられるような断固たる覚悟を持つ。逆にご機嫌を取るような安易な妥協はしない。」というのが私の親子関係における信念であるが、それには当然、いろいろな軋轢が生じることもあります。
<その1>
学校は休まないという信念があり、現に子どもは休ませないのだが、ある日子どもの担任から「お父さん、お子さんの体調が悪い時には無理をさせず休ませてください。(他の児童に迷惑がかかりますから・・・)」と直接言われたことがある。
<その2>
子供が熱を出していても、年に一度程度に厳選したマラソン大会には出走する。(もちろん、早くゴールして早く帰ります。)
<その3>
子どもの自転車が壊れたので買って欲しいとの要望に、親の自分が手間を惜しまず修理を試み、しばらくの間は代替自転車に乗っておくように命じる。(結局は直らなくて買うことになるのだが・・・)
というように、私はわがままで、何とも面倒な親父なのである。
それができるのも、対極の位置に母親がいるおかげで、結果的に父親としての立ち位置となっているからにすぎないという部分もある。
そのことは、一応認識しているつもりです。
「子どもに振り回される親でなく、子どもを振り回す親たれ」です。
ちなみに「父親と母親は同じ視点で観ない、同じ立ち位置には立たない。できれば対極にいるべきである」というのが、家族関係における役割分担を踏まえた私の行動規範でもあります。
大家族から核家族への家族形態の変容、男女平等という名の父母間での役割の不明確化など、家族の役割や家庭の機能は時代を追うごとに低下しております。やむを得ないことですが、便利なことに安易に乗っかったり、思考停止で流されるのでなく、踏みとどまるべきところは踏みとどまって、人格形成に必要なことを家庭で行う必要があると思うこの頃です。
追記:大人の世界はそれが理解できるもののためにある。視点は違えども、感銘たブログが在りましたのでご紹介いたします。
http://blog.livedoor.jp/panache1011/archives/52092810.html#trackback
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