【書評】やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 渡航/著 ぽんかん⑧/イラスト
本著は千葉市立総武高校(架空)が舞台のライトノベルである。
いつものように図書館で借りたが、表紙のイラストがアニメオタクっぽくて恥ずかしかった。
リクエストしてからかなり経って借りられたので判然としないが、千葉市が小説の舞台なので借りたのだろう。
【概要】友達が1人もおらず、また作ろうとも思わないひねくれた高校生、八幡が、それを見かねた教師によって「奉仕部」という部活に入れられてからの高校生活を描いたラブコメディ作品。(中略)千葉県千葉市を舞台としており、作者の渡自身も千葉県出身であるため、作中には千葉に関連する事物が多数登場する。(ウィキペディアからの抜粋)
なかなか理屈っぽくて斜に構えたもの言いのため女の子からもてない主人公とそれを体現している文体は、軽妙でありながら、ある種の重みを感じさせる凄みがあり、個人的にはかなり好きなところである。
一応ネガティブさを持つ敵役が居るには居るが、陰湿さを感じさせるほどでなく、そのあたりが甘い青春アニメっぽいところでもある。
千葉市が舞台なのであるが、作者が千葉で過ごした事が感じられる細やかな描写が千葉市在住者の私にとってはちょっとしたボーナス気分だ。
もはや青春は過ぎてしまったが、私も主人公のようにひねくれた空想少年だったことが懐かしく思い出された。続きもあるようなので、借りてみようかな(笑)
以下、本著からの引用
「あなたさっき才能がないって言ったわね。その認識を改めなさい。最低限の努力もしない人間には才能がある人を羨む資格はないわ。成功できない人間は成功者が積み上げてきた努力を想像できないから成功しないのよ」(奉仕部部長。性格に問題がある完璧美少女 雪ノ下雪乃の弁)
「産湯代わりにMAXコーヒーに浸かり、母乳代わりにMAXコーヒーで育ったとも言われている生粋の千葉っ子の俺はコーヒーは甘くなければいけないのだ。練乳ならなおグッド。」(主人公比企谷八幡の心のつぶやき)
練乳入りで甘いMAXコーヒーを飲みながら、ぜひ読んでみてください。
« 【テレビ】週刊ブックレビュー(NHK) | トップページ | 【書評】ご老人は謎だらけ 老年行動学が解き明かす 佐藤眞一/著 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 【書評】山とマラソンの半生 杉浦和成/著(2022.03.16)
- 【書評】速すぎたランナー 増田晶文/著(2019.03.09)
- 【書評】騙し絵の牙 塩田武士/著(2019.01.20)
- 【書評】嫌われる勇気 岸見一郎・古賀史健/著(2018.12.18)
- 【書評】誤解だらけの人工知能 田中潤・松本健太郎/著(2018.11.16)
« 【テレビ】週刊ブックレビュー(NHK) | トップページ | 【書評】ご老人は謎だらけ 老年行動学が解き明かす 佐藤眞一/著 »
コメント