【映画】やがて来たる者へ
第二次世界大戦中の歴史的事件“マルザボットの虐殺”を少女の眼差しでとらえた、ドキュメンタリー出身のジョルジョ・ディリッティ監督による長編第2作。
貧しい農家の一人娘である8歳のマルティナは、弟を生まれたばかりに亡くし、それ以来誰とも話さなくなる。1943年の冬、母親が再び妊娠し、マルティナは新しい家族の誕生を待ちわびる。しかし、村の周囲ではパルチザンとドイツ軍の戦いは激化していた。第2次世界大戦末期にイタリア・ボローニャ近郊のある山村で起こった虐殺事件を描き、2009年ローマ国際映画祭で審査員賞と観客賞を受賞した。日本ではイタリア映画祭2010にて「やがて来る者」のタイトルで上映。11年劇場公開。
【感想というか、ひと言】
違う映画を観ようと思っていたのですが、仕事で見る暇がなかったところに、戦争の不条理を描いた本作品の公開に巡り合えました。
ナチスドイツの虐殺の話は、私が鑑賞した映画の中で、最高傑作と思っている「炎628」があるのですが、本作はそれに負けず劣らずの秀作でした。
力強く、懸命に生きる、心優しい人々。戦争の不条理は、容赦なく、そこにも押し寄せる。
最後の悲しい歌声は、予想通りでしたが、それでも緊張からの開放とともに深い悲しみに包まれてしまう、印象深いラストシーンでした。
エンドの字幕は「これまでの戦争で犠牲になった数知れぬ民間人に捧ぐ」
日本人には日本人の心があると誇りを持っていますが、残念ながら戦没者の御霊を奉る靖国神社には、この精神が無い。
誇り高きわが国の文化と言えば文化ですが、自分を含めこの島国らしい狭量さにいまさらながら気が付きました。
<作品データ>
原題 THE MAN WHO WILL COME
製作年 2009年
製作国 イタリア
配給 アルシネテラン
上映時間 117分
<スタッフ>
監督 ジョルジョ・ディリッティ
脚本 ジョルジョ・ディリッティ 、 ジョヴァンニ・ガラヴォッティ 、 タニア・ペドローニ
製作 シモーネ・バキーニ 、 ジョルジョ・ディリッティ
撮影 ロベルト・チマッティ
美術 ジャンカルロ・バージリ
音楽 マルコ・ビスカリーニ 、 ダニエレ・フルラーティ
<キャスト>
レナ マヤ・サンサ
Beniamina アルバ・ロルヴァケル
Signora Bugamelli エレオノーラ・マッツォーニ
アーマンド クラウディオ・カサディオ
マルティーナ グレタ・ズッケリ・モンタナーリ
Signor Bugamelli ステファノ・ビコッキ
マーチャント オルフェオ・オルランド
ペペ ディエゴ・パゴット
ジャンニ ベルナルド・ボロニェージ
ディノ ステファノ・クローチ
ダンテ ゾエッロ・ジッリ
メディカルオフィサーSS ティモ・ヤコブス
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