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2011年10月 1日 (土)

【書評】マルガリータ 村木嵐/著

Maru
天正遣欧少年使節をご存知だろうか?歴史上の事象として、教科書にも載っていることであるが、ネットで調べてみるとびっくり、同名のアイドルユニットが最近誕生したらしい・・・。

本著は、歴史上の一大事件「天正遣欧少年使節」のその後を舞台とする歴史小説である。
天正遣欧少年使節は、1582年に伊東マンショ、千々石ミゲル、中浦ジュリアン、原マルチノの少年4名がヨーロッパに派遣され、日本人として初めてローマ法王に謁見し、8年後に帰国したことである。帰国後は、ザビエルも属したイエズス会の修道士(後に司祭)となって、日本でのキリスト教の布教に尽力した者達である。最後は、禁教となり、悲劇的な最後を迎えるわけであるが、そうした厳しい時代背景が彼らの生き様を打ち砕く、不条理な圧力となっている。

本著は、4人のうち、後にキリスト教を捨てた(棄教)千々石(ちぢわ)ミゲルを主人公に、棄教の本当の理由や彼の周囲の理解者と使節4人の友情を描ききった話である。

歴史上の結末を知らないことから、先の読めない展開とキリシタン弾圧という不条理な死が直面する世界感に苦しくこちらも押しつぶされそうになる小説でした。

主人公の千々石ミゲルが棄教というもっとも不名誉な生き様をさらしながらも、それを選んだことで使節の残り3人の生きる道を作っていったということが、歴史的事実の中で紛う事なき輝きを放つ真実のように思えてしまいます。

自分が生きることの意味を確信し、使命として持ちえた人間の強さ、それを読むだけで、とてつもなく強い衝撃的な出来事として経験したかのように心に刻み込まれるような小説でした。

棄教という表面上の思いではなく、内面での深い信仰と3人の仲間への思いが見えなかった「たま(千々石ミゲル棄教後の妻)」が夫の信心が見えなかったことを最後に嘆くのであるが、見ないからこそ彼を信じることが出来た、そうした関係性による信頼感の醸成もあるのだということ、それが一つの救いに感じましたね。

遠藤周作氏の「沈黙」といい、キリシタンの殉教という、日本独特の歴史的事象は、どうして起こるのか。
名著が生まれる源泉でもあるのですが、辛抱強く、思いの深い民族なんでしょうか・・・

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