【映画】4月の涙
1918年に起きたフィンランド内戦を背景に、敵同士でありながらも恋に落ちた男女の悲しい運命を描くラブストーリー。国家の独立を巡り、同じ民族同士が争った“史実”の酷さと、禁断の愛と知りながらも自らの気持ちに正直でいようとする主人公たちの姿が感動的。主演の2人は、本作でベルリン映画祭・シューティングスター賞を受賞。
原題 KASKY 英題TEARS OF APRIL
製作年 2009年
製作国 フィンランド=ドイツ=ギリシャ
配給 アルシネテラン
上映時間 114分
スタッフ
監督 アク・ロウヒミエス
エグゼクティブプロデューサー オッリ・ハイッカ 、 リーナ・ヒューティア
製作 アレクシ・バルディ
ライン・プロデューサー エッラ・ピエサラ
アシスタントプロデューサー アンニカ・スックスドルフ 、 リーナ・ウルバニク
脚本 ヤリ・ランタラ
原作 レーナ・ランデル
撮影 ラウノ・ロンカイネン
美術 マルック・ペティレ
照明 ヘンリ・ワックリーン
音楽 キルカ・サイニオ
作曲 ペッシ・レヴァント
編集 ベンヤミン・メルケル
衣装(デザイン) ティナ・カウカネン
メイク リーッカ・ヴィルタネン
キャスト
アーロ・ハルユラ サムリ・ヴァウラモ
ミーナ・マリーン ピヒラ・ヴィータラ
エーミル・ハレンベルグ エーロ・アホ
戦争の狂気、映画がその描写力を遺憾なく発揮することができる領域だ。
人間の狂気は、筆舌しがたいものであり、暴力から隔絶された平和な社会に住むわれわれにとって、映像や音声により、疑似体験するほか無い。
困難に挫けず、自らの信念正義を貫く、敵同士ながら同じ価値意識を持つ意志の強い二人が魅かれあうというのもある意味自然な流れなれど戦争の中での現実は厳しい。
平和な社会で調和を重視し、結果的に妥協や打算にまみれる私にとっては、困難な状況下でも妥協しない強さが死に直結しているようにしか見えず、映画でありながら胸が苦しくなる。
冒頭の戦闘から捕囚され、理不尽な強姦、射殺のプロローグシーンは絶句そのもの。
同じ国民同志が敵味方に分かれて戦う内戦ゆえの大いなる悲劇で絶望的な気持ちになるものの、最後の最後に一筋の光明を見出させてくれる。
明るい館外のまぶしさを感じつつ、未来を信じて突き進んで来たフィンランドに乾杯だ。
自分史上最高傑作のソ連映画「炎628」以来の名画に出会えました。
観るのが辛く苦しいと思いますが、ぜひ観てください。
追記:戦争の狂気に抗えなかった弱き心の判事、彼こそが戦争中の一般大衆の多数派だと思います。映画では強い二人に比して、愚かな人間にしか見えませんが・・・。それも人間なのですね。ともかく平和こそがぼくらの幸せの源泉なんですね。大事にしないと。
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