放射線被ばくによる健康被害(福島第一原発事故関連)
放射性物質がもたらす被ばくによる健康被害について言えることは、次の2点のようです。
1 低いレベルの放射線による健康被害は有るのか無いのか不明。
2 放射性物質(ヨウ素131)により甲状腺がんの発症率は高くなる。
1は、放射線による健康被害(原発すぐ近くを除く)は毒物のように、ある一定量以上で、ある症状が必ず引き起こされるというものではない。(つまり、しきい値がない。)
2は、甲状腺がんは放射性物質(ヨウ素131)で発症する確率が高くなるのは間違いない。25年経過したチェルノブイリ原発事故の健康被害の統計データから言えることは、甲状腺がんの発症率のみが、異常な数値を出していて、その他のがんや病気の数値はその他の地域の発症率と変わらないらしい。
以上が私が調べた資料などからの結論です、その基となる資料・データなどは以下のとおりです。
被ばくによる影響(健康被害)については、次の2種類あるらしいい。
大量の被曝を生じた際に急性に生じる「確定的影響」とより低い被曝量域から生じる「確率的影響」である。
大量の被ばくの可能性は、現時点では原発事故に近くに限定され、すなわち福島第一原発で必死の復旧作業に従事されている方々にのみ当てはまることになります。
そこで、ある程度多量な放射線を浴びたときには皮膚・粘膜障害や骨髄抑制(造血細胞が減少し白血球や赤血球が減少すること)、脊髄障害は必発であり、また莫大な放射線を浴びた場合には死に至る。これらの障害は、それぞれどの程度の被曝量から生じるかの閾値(しきい値)がだいたい決まっており、その値よりかなり低いならば、まず起きる可能性を考えなくてよい類のものである。こうした性質を持つ放射線障害は、総称して確定的影響と呼ぶ。
次に放射性物質の飛散により広範囲で起こりうる低いレベルでの被ばく(すなわち私たちが住む関東や東北地方など)ですが、そうした低レベルでの放射線障害による癌や白血病の発症については、これらの病気は突然変異の一種であり、上記の確定的影響とは異なるメカニズムで発生する。よって、明確なしきい値はなく、線量に応じて突然変異の確率が上がり、少量の被曝であっても、少量なりのリスクがあると考えられている。
統計的には、広島、長崎の被爆者の追跡調査データから、200ミリシーベルト以上の被曝について、被曝線量と発ガンの確率が「比例」していることが分かっている。50ミリシーベルト以上の急性被曝については被曝線量と発ガンの増加が関連しているらしいことが知られているが、相関関係は明瞭でない。(私の推測:50ミリシーベルト未満の記述がないが、それは、そうした低レベルの被ばくの場合は健康被害が増加したという事実が見られないということか?)
(以上、私の推測を除き、ウィキペディアからの抜粋)
チェルノブイリ原発事故後のデータでは、発がんなどの発症率と放射性物質の被ばく量には、明確な関係性が見られません。どれだけ(放射性物質を)摂取したら発症すると、はっきり言えるものではないのです。
ちなみに、半減期が30年の「セシウム137」は、体内に入ると筋肉へ行きます。ただし、チェルノブイリの症例を見ても肉腫など筋肉のがんは1例もありません。この点からも、注意しておくべきはヨウ素による被ばくといえます。(以上、チェルノブイリ原発事故の影響調査に携わる被曝医療の専門家である日本の大学教授へのインタビューの要点)
チェルノブイリ原発事故での避難住民の追跡調査からは、甲状腺がんの発症率のみが、異常な数値を出しているが、それ以外のがん、病気の発症率に変化はない。白血病ですらも、増加の事実が見られない。
(以上、チェルノブイリ原発事故の医療チームリーダーの医師へのインタビューの要点)
放射線量の大きさに対する人体の影響(確定的影響)
1ミリシーベルト・・・一般公衆が1年間にさらされてよい人工放射線の限度(ICRPの勧告)
2.4ミリシーベルト・・・一年間に自然環境から人が受ける放射線の世界平均。
4ミリシーベルト・・・胃のX線撮影。
250ミリシーベルト・・・白血球の減少。(一度にまとめて受けた場合)
2,000ミリシーベルト・・・出血、脱毛など。5%の人が死亡する。(一度にまとめて受けた場合)
7,000ミリシーベルト以上・・・99%の人が死亡する。(一度にまとめて受けた場合)
※1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルト
余談ですが、いろいろ調べて、とても印象的だったのは、次のようなインタビューでした。
「放射性物質には半減期もあります。ヨウ素131の場合は8日で半減する。ヨウ素131が検出された水道水をコップに入れておけば、1カ月後にはほとんど問題なく飲めるということです。ほうれん草やミルクも同じです。ほうれん草ならば冷凍して何十日か置いておけばいいでしょう。ミルクも捨てずにチーズにさせて長期間熟成させたり、粉ミルクにするなど、時間をおけば問題なく食べることができます。」
「重要なのは、私たちは日常的に放射線を浴びていることをきちんと理解することです。米国のコロラド州デンバー(標高1,700m)に住んでいる人は平地のニューヨークに住んでいる人の6倍の放射線を浴びているが、発がん率に差はない。一般論としては、浴びる放射線を減らすことが重要だが、一方で日常的に浴びているという事実をきっちり認識すること。過剰に反応しないことは大事です。」
(チェルノブイリ原発事故やJCO臨界事故で被ばく者の治療に従事し、現在日本に派遣されているアメリカの医師へのインタビュー抜粋)
放射性物質のヨウ素131とは、時間経過と共に放射線の害が無くなるというものなんですね。
それなら放射線汚染ミルクを再利用して、チーズにして、無害さを証明したいですね。(日本の法律や基準が許さないでしょうが・・・)
そんなのん気な私も含めて、全員がのん気なわが家では、全く食生活に変わりのない生活を続けております。これは性格によることに加えて、広島の原爆で死んだおじいさんのことが、あるからかもしれません。(私のおじいさんは、広島市内の爆心地近くで被爆し、2日後に苦しみながら亡くなったらしい。)
福島県とその近隣の方々の大変さは想像を絶しますが、いずれ落ち着いて、だんだんと元の生活に近づいていけることを、福島県から茨城県を挟んで位置する千葉県(一部農産物の出荷停止中です。)からも応援していきたいと思います。
そのためには、まずは正確な情報を提供していき、それに基づく現実的な判断をみんなで共有できるようになりたいですね。
追記(2011/04/17)
日本の自然放射線による被曝は年間1.5ミリシーベルトとのことだが、1960年代の平均的な被曝量は、これよりはるかに多かった。米ソ冷戦時代で、両国が核実験を繰り返していたからである。
当時、北半球全域にわたり、空気中のセシウム137やストロンチウム90の濃度は現在の数百~数千倍に及んでいた(UNSCEAR 2000年報告書)。
もちろんこれは自然放射線ではないが、核実験により、世界中が高い放射線を浴び続けた時代もあったわけです。
自分に都合の良い歴史のみ主張する諸外国、自分たち悪い歴史事実を繰り返し反省する日本人。
核実験国を始めとする世界の人たちにそんな話を今さらしても、言い訳になるだけだから、する必要も無いけど、自身の健康を風評のみで恐れおののく日本人は、そうした事実を忘れないように!
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