ワールドカップ南アフリカ大会もいよいよあと2戦。今日の3位決定戦と明日の決勝戦のみだ。
日本代表の出場は、4大会連続なのですが、はて?ワールドカップは何回目なんだろう?
これまでワールドカップって、どんな歴史を歩んできたんだろうか?
そんなことを開幕直後に考えていたら、図書館の書棚で見つけた本です。
歴史好きな私にとって、文句なしに面白い本です。
特に自分に、国際社会や政治の観点から見たワールドカップの立ち位置を評するところがとても面白いです。
巻末の作者の略歴を見て、納得。著者はジャーナリスト出身で現在は国際政治を専門とする大学講師なんですから。
まず、南アフリカ大会ですが、19回めの大会です。
第1回は、1930年にウルグアイで開催されました。優勝はウルグアイ。
これまでの優勝国は7カ国で次のとおり。
ブラジル5回、イタリア4回、ドイツ3回(西ドイツを含む)、ウルグアイ2回、アルゼンチン2回、イングランド1回、フランう1回。
南米9回、ヨーロッパ9回。
ホームチームが有利というサッカーらしく、6回が開催国の優勝だ。開催国の隣国も含めるとなんと、11回もだ。
今回、審判の誤審がゲームを左右し、大きな問題となっているが、過去の歴史を紐解くと、疑惑の審判だらけの様相だ。
不可解な審判や密約がまかりとおっていたのも過去の大会のようだ。
さらに審判の不可解さを超越したとんでもない事例もある。
例えば第11回のアルゼンチン大会。とてもつもなく大いなる疑惑があるらしい。
地元アルゼンチンは、決勝進出に最終戦で4点差以上での勝利が必要だった。4点差とはサッカーではかなり困難なスコアであるはずだが、アルゼンチンは対戦したチリに6点差で勝利したらしい。
どうやら国家間の八百長だったようだ。
アルゼンチンは、隣国のチリに3万5千トンの穀物無償供与と150億円の資金援助でこの勝利を得たと言われている。
どちらも軍事政権であり、政権維持をかけた両国の思惑から実現できた話のようだ。
日本人の感覚では信じられないような話だ。
これまで、私が知っていたのは、アルゼンチンにはケンペスというスーパースター(大会の得点王でもある。)が大活躍で優勝したと思っていた。
と言うわけで、紆余曲折の歴史の中から、現在のワールドカップが成り立っていると言うところがわかる本でした。
ご興味のある方は、どうぞご一読を。
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