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2010年5月17日 (月)

【映画】ウディ・アレンの夢と犯罪

 映画好きと自称する割りに、恥ずかしながら初めてウディ・アレンの映画を観た。
 ハリウッド映画とは一線を画し、ニューヨークを舞台に難解でシニカルな大人の映画を作っていると言うような情報のみ、私が映画を観始めた少年時代から映画雑誌などでは見聞きしていた。
 おそらく私の好みの映画作品が多いのではないかと内心思いつつ、今まで機会が無かったのは我ながら不思議な感じだ。

 本作品は、どこにでもいるような仲の良い適齢期の兄弟がささやかな夢に固執するあまり、踏み出してはいけない悪事に手を染めて、結局、悩み苦しみ抜いて、全てを失うというスートリー。

 心の葛藤や苦悩を無駄なくわかり易く展開させ、テンポも良く、一気に結末まで進んでいく。難解さはまったく無く、あまりに消化しやすい展開に少し肩透かしを食らった感じ。

 今回が初ウディ・アレン映画だったのですが、これが果たしてウディ・アレンらしいのか?よくわからない。巷で、大評判という感じでもないことから推測すると、今ひとつの作品なのかもしれませんね。

 ラスト、兄弟の状況を知らずに無邪気に買い物する兄弟の恋人たちの姿は、色々なことを示唆しているシーンにも思えます。
 現代社会の拝金主義的な社会風潮への教訓的な映画にも見えますが、私にはそういう社会状況を教訓としているのではなく、単なる時代背景として利用しているに過ぎない気もします。

 私にとっては、この兄弟の不幸な結末については、どこかホッとするような、最後はきちんと最良の選択ができて良かったねと言うことのできる寓話的な映画に思えましたね。

スタッフ・キャスト
[監督][脚本]ウディ・アレン
[製作総指揮]ヴァンサン・マラヴァル/ブライム・チュウア/ダニエル・ビューマン
[製作]レッティ・アロンソン/スティーヴン・テネンバウム/ギャレス・ワイリー
[撮影]ヴィルモス・ジグモンド
[美術]マリア・ジャーコヴィク
[音楽]フィリップ・グラス
[出演]ユアン・マクレガー/コリン・ファレル/トム・ウィルキンソン/ヘイリー・アトウェル/サリー・ホーキンス/フィル・デイヴィス/ジョン・ベンフィールド/クレア・ヒギンズ
上映時間108分

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