【書評】全ての装備を知恵に置き換えること 石川直樹著
まだ3分の1も読んでいない本ですが、ここに書くしかないと思わせるすばらしい本です。
著者は、当時の最年少での世界七大陸最高峰登頂の偉業を達成した若き冒険家。
冒険家らしからぬ、繊細で鋭敏な感性に基づく、丹精で緻密な文章に、心が洗われる面持ちです。
タイトルは、パタゴニアという登山用品メーカーの創設者イヴォンの言葉らしい。
「(前略)私にとっての究極は何の道具も使わない(中略)裸で登るのが究極さ。(中略)全ての装備を知恵に置き換えること。それが到達点だと思っている。」
もう1つ印象深かったのは「フジヤマ」という文字通り富士山のエッセイにおける挿入写真が、きれいな富士山ではなくて、登山者が登山道からはみ出さないようにするための鉄杭とそれに張られたロープという誰も被写体としないであろう写真であったこと。それが、富士山を登ったことのある私には、確かにそれを目にした記憶を呼び起こし、まさに富士山を象徴する写真として最適に思えてくるから不思議でした。
あと残り3分の2を読むのが楽しみですね。
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