【書評】カムイ伝講義 田中優子著
白土三平が描いた「カムイ伝」という劇画を教材に、江戸時代に生きた人々を解説する本。
少年時代に、週刊誌に連載されていた劇画だったとの記憶があるが、その荒々しい筆致になじめず、読まなかったが、大学の教授が江戸時代を理解するための教材として絶賛していることから、近いうちにぜひとも「カムイ伝」を読まなければと決意しました。
本書は、被差別部落民の江戸時代における役割や待遇について、極めて冷静かつ学術的にかかれており、今日われわれが薄っぺらなイメージというか、言葉だけでしか持ち得ない被差別部落民に対する知識とのギャップに、まさに恥ずかしいと言わざるを得ないばかりの心持ちとなった。
そのほかにも、農民のたくましさや武士の脆弱さなど、学校で習った歴史はもちろんのこと、歴史好きと自負していた自分すらもそれらに対する認識の浅はかさに、もう少し勉強しなくてはと思い知らされました。久しぶりにいい本読みましたよ。
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